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舌痛症・口内炎・ドライマウスなど西洋医学のみではアプローチが難しい症状に
科学的根拠に基づいた漢方薬で対応します。
歯科医院での治療は、虫歯を削る、歯石を取るといった「外科的処置」だけではありません。
当院では、西洋医学のみではアプローチが難しいとされる舌の痛み(舌痛症)、繰り返す口内炎、口腔乾燥症(ドライマウス)などに対し、科学的根拠(エビデンス)に基づいた「漢方治療」を導入しています。
日本の歯科医療において、漢方薬は一部保険適用が認められており、大学病院をはじめとする高度医療機関でも広く活用されています。
患者様一人ひとりの体質や全身状態を見極める「心身一如(しんしんいちにょ)」の考え方に基づき、口腔内の症状を身体の内側から整えていく、新しい歯科治療の選択肢をご提案します。
こころと身体は一体。
全身状態を総合的に捉えます
148処方の漢方エキス製剤に医療保険が適用
生薬の力で身体の内側から症状を改善
現代の日本の歯科医療において、漢方薬は「西洋医学を補完する重要な選択肢」として確立されています。
特に、大学病院や専門外来では、検査で異常が見つかりにくい「原因不明の痛み」や「粘膜の不快感」に対し、 全身状態を整えるアプローチとして積極的に取り入れられています。
| 口腔乾燥症(ドライマウス) | 約34% |
|---|---|
| 舌痛症・口腔心身症 | 約24% |
※大学病院歯科等での調査データより
「こころと身体は一体である」という東洋医学の基本理念です。 局所的な症状(口の痛みなど)だけでなく、睡眠、ストレス、消化の状態などを総合的に捉え、 体質そのものを改善することで口腔症状の緩和を図ります。
日本では、厚生労働省によって148処方の漢方エキス製剤に医療保険が認められています。
歯科医院においても、以下の症状に対して特定の漢方薬を保険診療で処方することが可能です。
| 適応症状(保険適用) | 主な処方名 | 特徴・エビデンス |
|---|---|---|
| 口内炎・口腔粘膜炎 | 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう) | がん化学療法に伴う口内炎等に対し、高い有効性を示すエビデンス(RCT)があります。 |
| 黄連湯(おうれんとう) | 口内の炎症や「熱感」を鎮める作用があり、放射線治療後の粘膜炎等にも用いられます。 | |
| 茵蔯蒿湯(いんちんこうとう) | 口渇や便秘傾向がある、体力がある方の口内炎に適応されます。 |
「舌痛症(Burning Mouth Syndrome)」自体は公的ガイドライン上で漢方のエビデンスが「十分」と断定されているわけではありませんが、 実臨床では多くの専門医が経験的に漢方を取り入れ、良好な結果を得ています。当院では、最新の臨床研究に基づき、西洋薬(抗不安薬等)の副作用を避けたい方や、体質改善を望む方へ最適な処方を検討いたします。
一般的なアフタ性口内炎に対し、西洋医学ではステロイド軟膏などの対症療法が中心です。 しかし、再発を繰り返すケースや、がん治療の副作用による重症の口腔粘膜炎に対しては、 漢方薬による「内側からの治癒促進」が非常に有効であるというデータが集まっています。
特徴:胃腸の炎症を鎮める薬ですが、口内炎の痛みと持続期間を短縮させることが科学的に証明されています。
特徴:胃の熱を冷ます作用があり、口内の赤みや激しい痛みを和らげます。放射線治療による炎症への効果も研究されています。
特徴:鎮痛作用を持つ生薬が豊富に含まれており、痛みで食事が摂れないようなケースで「うがい薬」としても応用されます。
特に半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)については、 質の高いランダム化比較試験(RCT)により以下の結果が報告されています。
| 対象患者 | 漢方治療の結果(エビデンス) |
|---|---|
| がん放射線治療中の患者 | 中等度以上の口腔粘膜炎の期間を大幅に短縮 |
| 造血幹細胞移植患者 | 重症化(グレード3以上)への悪化を抑制する傾向 |
| 再発性口内炎 | ステロイド軟膏との併用により、治癒までの日数が改善 |
漢方薬を単に飲むだけでなく、お湯に溶かして口に含み、ゆっくりとゆすぐ「含嗽療法」は、 薬効成分を直接患部に届けることができるため、即効性の高い痛み緩和が期待できます。 当院では患者様の症状に合わせた具体的な「うがい方法」も指導しております。
歯科疾患において医療保険が適用される、あるいは臨床現場で多用される主要な処方をご紹介します。
もともとは胃腸の炎症を鎮める処方ですが、粘膜のただれを改善する作用が強く、特に抗がん剤等の影響による重症の口内炎において、最も高いエビデンスを有しています。
口腔内の「熱」を冷ます働きがあり、赤く腫れて熱感のある口内炎に適しています。
放射線治療に伴う口内炎の緩和目的でも注目されている処方です。
体内の「湿熱(余分な水分と熱)」を取り除く処方です。口の渇きや便秘傾向があり、体力がある方の口内炎に向いていますが、胃腸の弱い方には慎重に使用します。
鎮痛作用を持つ生薬が豊富に含まれる処方です。舌痛症や口内炎による痛みの軽減、抜歯後の疼痛管理などに「うがい(含嗽)」の形で応用されることが多いのが特徴です。
これらは患者様の「証(体質)」に基づき、補助的あるいは体質改善目的で選択されることがあります。
舌の表面に異常が見当たらないのに、火傷をしたようなヒリヒリ感が続く。 国際的な定義(ICHD-3)では「口腔内灼熱症候群(BMS)」と呼ばれるこの症状は、 西洋医学的な検査だけでは原因を特定できないことが少なくありません。
舌痛症の原因は、神経障害、自律神経の乱れ、ホルモンバランス、亜鉛不足、心理的ストレスなど多岐にわたります。 当院では「痛み」という結果だけを見るのではなく、その背景にある「お身体の状態」にアプローチします。
抗うつ薬、抗てんかん薬、ビタミン剤などを用いて「痛み信号の伝達」を調整します。
「証(しょう)」を判定し、水分代謝、血流、精神の巡りを整えることで「痛みを感じにくい体質」を目指します。
漢方では、患者様の症状の現れ方から、主に以下の3つのパターン(証)に分類して治療方針を立てます。
体の潤い不足
更年期以降の女性に多く、口腔内の乾燥(ドライマウス)を伴います。粘膜のバリア機能が低下し、灼熱感を感じやすくなっている状態です。
エネルギーの滞り
ストレスや不安が原因で、自律神経が乱れている状態です。「痛みとストレスの悪循環」が強く、精神的な緊張時に痛みが強まる傾向があります。
水分の巡り不良
口腔周囲の水分代謝が悪く、むくみや不快感を伴います。天候や気圧の変化によって症状が左右されやすいのが特徴です。
近年の研究では、雨の日や台風など「気圧が下がる時」に舌の痛みが増悪する患者様がいることが分かってきました。 東洋医学ではこれを「水毒」によるものと考え、水分代謝を調整する処方(五苓散など)を用いてアプローチを行います。 現在、日本でもこの有効性を検証する多施設共同試験が進行しています。
舌痛症の治療は「症状と上手く付き合いながら、生活の質(QOL)を上げていくこと」がゴールになります。 漢方薬は、西洋薬の副作用が気になる方や、全身の不定愁訴(のぼせ、不眠、疲れやすさなど)も同時に改善したい方にとって、非常に有力な選択肢となります。
舌痛症の漢方治療では、単に痛みを取るだけでなく、「なぜ痛みが出ているのか」という根本原因(体質)に合わせた処方選択が重要です。
舌痛症の「第一選択」として多用される処方です。加齢や更年期に伴う「潤い不足(陰虚)」と「ストレス(気鬱)」の両方に働きかけ、粘膜を潤しながら自律神経を安定させます。
古くから「舌の痛み・喉の渇き」に有効とされ、現代の臨床現場でも定石となっています。
「雨の日に痛む」「台風が来ると辛い」といった天候に左右される痛みに有効です。体内の余分な水分を調整し、口腔内の不快感や浮腫を改善します。
現在、日本国内で有効性を検証する多施設ランダム化比較試験が進行中の注目処方です。
鎮痛生薬を豊富に含む処方で、「次の一手」として提案されます。特にうがい(含嗽)療法として用いることで、副作用を抑えつつ直接患部の痛みを和らげます。
後ろ向き研究において、含嗽療法により約65〜70%の有効率が報告されています。
このインプラントを採用している理由はまとめると3つです。
(29例の舌痛症患者を対象とした国内調査報告より)
※漢方単独、または西洋薬との併用により約8割の方に改善が見られました。
ただし、強い不安障害や気分障害を伴うケースでは漢方のみでは限界があることも示唆されており、
必要に応じて適切な医療機関との連携も検討します。
日本では日常的に行われている歯科領域の漢方治療ですが、世界的にはどのように評価されているのでしょうか。 現在、欧米を中心とした標準的なガイドラインでは漢方薬は未掲載ですが、最新の臨床研究(RCT)ではその有効性が相次いで報告され、「補完代替医療」としての注目が急速に高まっています。
日本は、国家レベルで漢方製剤を医療保険に組み込み、歯科の公的ガイドライン(がん支持療法など)でも漢方の使用に言及している世界でも稀な「統合医療の先進国」です。
保険適用があり、臨床現場で広く普及。口腔粘膜炎への半夏瀉心湯など、公的指針にも記載がある。
MASCC/ISOO等の国際ガイドラインでは標準化されていないが、ハーブ療法の有効性を示す高品質な研究が増加中。
ブラジルのランダム化比較試験(RCT)報告
舌痛症(BMS)患者72名を対象に行われた厳格な二重盲検試験において、特定のハーブ製剤(Catuama)を8週間内服したグループは、 プラセボ群と比較して有意に疼痛スコアが改善し、服用終了後もその効果が持続したことが示されました。
※この研究は、天然成分による神経調節や血流改善が、難治性の舌痛症に対して有効である可能性を国際的に示した貴重なデータとして引用されています。
中国やイタリアからも、抗酸化物質(αリポ酸)と伝統的なハーブ処方を組み合わせた併用療法の有効性報告が出ています。 特に中国医学(TCM)のアプローチを用いた系統的レビューでは、再発性口内炎に対するハーブ療法の安全性が高く評価されており、 西洋医学の標準治療に反応しない患者様への「新しい選択肢」として定着しつつあります。
現時点では国際的なコンセンサスには至っていませんが、日本や中国からのエビデンス蓄積により、 将来的に世界の標準ガイドラインに漢方的なアプローチが組み込まれる可能性も期待されています。 当院ではこれら最新の国際論文も注視し、世界基準の知見を取り入れた診療を行っています。
漢方薬は天然由来の生薬を組み合わせたものですが、「天然だから副作用がない」というのは誤解です。適切な診断に基づかずに服用したり、長期間漫然と使い続けたりすると、健康に影響を及ぼす可能性があります。 当院では安全を第一に考え、適切なモニタリングのもと処方を行っています。「補完代替医療」
「漢方は食品に近いから、
誰がいつ飲んでも安全で、副作用は一切ない。」
「漢方薬も『医薬品』であり、体質(証)に合わない場合や
生薬固有の副作用が出る場合があります。」
歯科で処方される漢方薬においても、極めて稀ではありますが以下のような副作用が報告されています。 服用中に異変を感じた場合は、すぐに服用を中止しご相談ください。
甘草(カンゾウ)を含む処方で、血圧上昇やむくみ、低カリウム血症が起こることがあります。
小柴胡湯などの長期投与で、空咳や息切れ、発熱が現れるリスクが知られています。
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)など、体質によって肝数値に影響が出る場合があります。
漢方治療の成功は、その時の患者様の状態である「証」を正しく見極めることにかかっています。
例えば、口内炎に有効な「茵蔯蒿湯」は胃腸の弱い方には不向きであり、逆に下痢を誘発してしまうことがあります。
当院では、歯科医師としての専門知識に基づき、以下のポイントを徹底しています。
ドラッグストア等で市販の漢方薬を購入することも可能ですが、特に難治性の症状においては専門家による診断が治癒への近道です。 現在の治療で効果を感じられない方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
「舌がピリピリするけれど、どこに相談していいか分からない」「口内炎が治らず食事が辛い」といったお悩みをお持ちの方へ。
当院では、以下のステップで丁寧なカウンセリングと診療を行っています。
Flow01
ご予約・受付
WEBまたはお電話にてご予約ください。問診票にて、現在のお悩みのほか、他院での治療歴や服用中のお薬について詳しく伺います。Flow02
歯科医学的な精密検査
まずは歯科医師が口腔内の状態を詳しく診察します。重大な疾患(口腔がんや感染症など)が隠れていないかを、レントゲンや視診でしっかりと確認します。Flow03
東洋医学的診断(証の判定)
西洋医学的な検査で原因が特定できない場合、東洋医学的なアプローチに移ります。冷え、むくみ、ストレス、生活習慣など、全身の状態からあなたに最適な漢方薬を選定します。Flow04
処方・服用指導
保険適用のエキス製剤を中心に処方します。効果を最大限に高めるための飲み方や、痛みを即座に和らげる「含嗽(うがい)法」についても丁寧にレクチャーします。Flow05
経過観察・調整
2〜4週間ほど服用いただき、症状の変化を確認します。体調に合わせて薬の種類や量を調整し、「痛みと上手く付き合える状態」を共に目指します。「原因不明」と言われた痛みにも、まだできることがあります。
東洋医学の知恵で、健やかなお口の環境を取り戻しましょう。
※初診時は保険証、および現在他院でお薬を処方されている方はお薬手帳をお持ちください。
